天使の羽衣

「学部は?」という俺の質問に対し、少女は、

「教えなーい」
と答え、

「どうして屋上にいるんだ?」という質問に対しては、
「教えないもんねー」
と答えた。

さらに言うなら、年齢は「400歳」だそうで、
スリーサイズは「上から15、15,15」、
名前は「オシエナイゾウくん」なのだそうだ。


そう。


つまりあれだ。

彼女は秘密主義ではあるけれど、茶目っ気がある不思議な400歳の妖怪イッタンモメンだという、

とてもたくさんの個人情報を俺に教えてくれたわけであって、

すでに彼女の素性は、完全に俺の手の中に―――

って。

「んなわけあるかよ!」

俺は、大空へ向かって叫んだ。悲しい一人ノリつっこみであった。