天使の羽衣

次の日、俺は自分でも信じられないほど早起きをした。なんと初めて朝日というものを見たのだ。

こんなに早く起きたのは何年ぶりのことだろう。
これは天変地異の前触れではないかと、本気で疑った。

しかし、早く起きたはいいものの、その後はヒキコモリとしての実力を大いに発揮、結局アパートを出たのは昼過ぎになってからだった。

とはいえ、食糧の買出し以外の理由で外出できたのは、引きこもり脱出への第一歩に違いなかった。

途中、コンビニで昼飯を買ってから大学に向かう。

俺の授業が今まさに進行中の教室の脇を、足早に通り抜け、屋上へ。

今日は一日中、屋上でぼんやり過ごすことに決めていた。

講義に出席しなければ元も子もないが、俺はもっとこう、根本的な部分を考え直してみようと思ったのだ。
屋上という場所が俺を変えてくれる、そんな予感があった