「俺とのデートのときくらい、俺のことだけ見てろ」


〜〜〜!!
恥ずかしいッ!

こんなに人がいるのに、そんなこと言うなんて…。

周りに聞こえたらどうすんの?!





……いや。

意外と恥ずかしいのは、圭の方かもしれない。



さっきから目を合わせようとしないし。

それに……、なんか頬が赤く染まってる気がする。





そんなの、反則だってば。





「…あっち!あっち行こ!!」


幸せ。
幸せって、このことでしょ?

わたしは圭と一緒にいられて幸せだよ。









わたしはひたすら心の中で『圭、好き』と呟いていた。

ユリちゃんとタクヤさんのことも忘れて。






いつの間にか、二人っきりの初デートは幕を開けていたの。

いろんなことを巻き込みながら。