「デート行ったらぁ、二人っきりにしてあげるからっ」


ユリちゃんは何か、たくらんでるみたい。


てか、二人きりになったらWデートじゃなくなるよ!?



「なんで、いいよ二人きりにしなくて!」


緊張するし!
わたしには無理だって!!



「やぁだ〜☆あたしだって、彼氏と二人になりたいし?」

「だったらユリちゃん達だけで行っていいよ」


ユリちゃんの理解不能な発言に、わたしは冷たく突き放した。


口をすぼめて、ユリちゃんはいじけた表情をみせた。



「じゃあいいよ、ずっとWデートで…」


髪をくるくるといじって、子供みたいに拗ねるユリちゃん。


…うーん、困ったなぁ。



「……はあ。当日、気が向いたらいいけど」
「ほんと?!」


わたしの言葉のすぐ後に、ユリちゃんの機嫌はすっかり直った様子。


目を輝かせて見つめてくるその姿は、しっぽ振ってる子犬みたい。




「楽しみだなぁ〜」

「…うん」


初デートはどんななのか、わたしにはまだわかんないけど…。


一生の思い出にはなるよね。






……そう、思ってたのに。