カチカチカチ…。

圭の指は、馴れた手つきで部屋のロックをといていく。

…指、なが。



「開いたよ、どーぞ」


圭は鉄でできた扉を開き、わたしを中へ誘導している。

緊張するなぁ…。


「……おじゃまします」


先に中に入ったのはいいけど、どこに進んだらいいのかわからなくなってしまった。


わたしは玄関でアタフタ。

そんなわたしを見て、


「こっちおいで」

と圭は優しく部屋に招いてくれた。


……女の子の扱い、上手いな。



「ソファー、座ってて」
「うん」

リビングに案内されたわたしは驚いた。


だって、家具がみんな高級品なんだもん!!


……座るの怖いよ。



わたしは恐る恐る、革製のソファーに腰を降ろした。



「紅茶でよかった?」

キッチンの奥から出てきた圭の手には、二つのティーカップが握られていて、そこからいい香りが漂っている。



「どーぞ」
「ありがと、」

圭から渡されたカップも、ブランドものそう。


「…美味しい」

笑顔で圭に言ったつもりだったんだけど、わたしの手は緊張で震えていた。


「佳奈恵……」


………ちゅ。