「圭! お疲れっ」
「佳奈恵も」


みんなが帰って行き、静かになった体育館のステージに座り、圭と話している。


最近のわたしは圭と放課後に残って、二人で過ごすのがすっかり習慣化されてるなぁ。


圭の隣にいると落ち着くし、幸せだと感じる。



「疲れたろ? もう送っていこうか」
「えっ?」


ふわふわした幸せに浸っていたわたしは、圭の言葉に動揺してしまった。


これじゃあ、まだ一緒にいたいみたいじゃん!!



「そだね、帰ろっか」


わたしは作り笑いを浮かべながら言った。

でも、こんなの圭には通用しない。


「……佳奈恵」
「ん、」


体育館に響く甘ったるい声。


「は…、ん、ふぅっ」


優しく入れられた舌に、わたしは応える。


深いキスはもう2回はしてるけど、このキスに慣れる日はくるのだろうか…。



「心臓、やばいね」
「う、うるさいっ」


圭はキスで落ちかけたメガネを上げながら、笑って言った。


わたしはなんだか圭が愛しくなって、物足りなくて…。


圭のスーツの袖を強く掴み、自分からキスをした。



そんなわたしに圭は驚いたカオを見せたが、色っぽいトーンで言った。


「佳奈恵、ウチくる?」