「ふふ、今度さ。Wデートとかしたいよね」

ユリちゃんは笑顔をカオいっぱいに広げている。

…Wデートかぁ。
行ってみたいかも!

けど、その前に…。

「新入生歓迎会が終わったら考える」


そう。
わたしには、やるべきことが多いから…。

今だって、家で飾りを製作中だ。

わたしの頭には、新入生歓迎会の成功がいつでもある状態。

いい会になるといいけど。





よく考えると一週間なんて、あっという間なんだね。


だって…。
時間が経ち、もう今日は新入生歓迎会の前日になってしまったのだから!!


――放課後in体育館――

「委員長!これ、どこ!?」
「こっち持って来て!」


体育館の中は、10の学級委員と圭でバタバタしていた。

今日中に会場を完成させなくてはならないのだ。

先週呼びかけた飾りは、ちゃんと作ってきてくれて。

結構、いい人達だなって思った。


「あ、けぃ…じゃなくて、長崎先生。ノリ取って」

わたしと圭は、みんなが作ってきてくれたわっかを繋ぎ中。

圭、と呼ぶのは癖になってきてしまったみたい。


「取って、じゃなくて取ってください、だろ?」

圭はウインクしながらそう言って、ノリを投げた。

「ありがとう、ございます」


『ございます』だけ強調して言ってみる。

…こどもじみてるな、わたし。