今日はいい天気。
桜も綺麗に舞っているな…。

「かぁなえたんっ!」


机に座り、窓の外を眺める……そんな平和を乱したのは…。

「昨日、聞けたの!?」

ユリちゃんだった。

ユリちゃんは短いスカートを揺らし、わたしの机に手を置いて質問する。

「…おはよう、も無いの?」


テンションMAXのユリちゃんに冷静に切り返した。

けど、ユリちゃんは『そんなことは、いいから』とか言ってる。


「で? 何だって、佳奈恵の好きなとこ!」
「え…?……あ。」

……そういえば。
結局、わたしの質問はキスでうやむやにされた気がする。


「えぇ?聞いてないの?!」

ユリちゃんはヒステリックな声を上げた。

「いや!聞いたんだけど…」

わたしはそこでごもってしまった。

だって、キスに夢中になって忘れた…なんて、言えないし!!


そんなわたしの表情を見て、ユリちゃんは何かを感じ取ったようだ。

「ふぅん?…まぁ、ちょっとは進んだみたいだからいいけどぉ?」
「何がッ!?」

ユリちゃんの言葉に、つい大声を出してしまった。

問題のユリちゃんはケラケラ笑ってるし。