「えぇ? あたしの彼はちょぉ一途丸出しだけどなぁ?」

ユリちゃんは2コ上の彼氏もち。
噂だとすっごい不良だとか、ヤクザだとか…。
まぁ、ユリちゃんは栗色の髪に化粧してるから釣り合いはとれてるかな。
見たことないけど。

「佳奈恵は可愛いカオしてるのに、オクテだからなぁ〜」

ユリちゃんはニヤニヤしながら“先生だって飽きちゃうよ”と最後に付け足した。

…確かにわたしなんて、他の女子と比べたら地味な方だし?
暗いかもしれないけど…!

簡単に諦めたりはしないんだからッ!!!

あぁっ、なんか女子の歓声とユリちゃんの一言でイライラしてきたっ。

「あれ?そういえばさぁ…」
「なにッッ?!」

力任せに発した声は、ひどい裏返りようだ…。
自分でも驚いたけど、目の前のユリちゃんなんか、綺麗に整った目を完全に見開いている。

「いやぁ…、あのさ
佳奈恵って、先生に告ったんじゃなかったっけ…?」