家に入ると、お母さんが『おかえり』とキッチンからカオを出してきた。

わたしは手に付いているキスマークがばれないように、左手で右手を隠しながら慌てて2階にあがっていく。


「……はぁぁぁ」

バタッとベットに体を投げ出す。

そして、右手を見つめて。


「……本当に、恋人になったんだ………」


誰にも聞こえないくらいの大きさで呟いた。


きっと、上手くいくよね…って、願いを込めながら。