「じゃあ、ありがとうございました。長崎先生」

寂しいな…
なんて、思ってみたり。

そのせいかドアを押す左手の動きが止まった。


それを見計らったかのように…。

「小宮」

突然、先生に右腕を引かれ、先生の方に倒れ込んでしまった。

「あぅっ…、先生ごめんなさい」


わたしが謝ると、なんだか先生はいじけたような表情。

どうしたんだろ、と先生を眺めてみる。

「うんと…さ」


? なんでしょうか??

「あの…、俺の名前、圭っていうんだ」
「けい…」


まだよく言葉の意味がわかんないですけど…。

それがどうしたんでしょう。


「その、名前で呼べよ。……佳奈恵」


どっきーん!

そ、そういうことかぁ。
てか、か…佳奈恵って!


「それに、敬語もやめろよ。だめ…かな?」

っ! や、やば!!

照れてる!
先生、カオちょっと赤いもん!

可愛いぃ〜〜(*´Д`*)


「やっぱ、だめ?」
「いえ! 圭って、呼ばせてもらいます!!」

わぁああ。
クールな先生が、めっちゃ可愛く笑っとる!

わたしのカオが溶けてしまうんですけどっ!!


「佳奈恵、敬語直ってないよ」

あっ、そうか。

「ごめんね」

タメ口は二人の時、限定だぞ…なんて言われたら、キュン死にしちゃいますって!!



「あと、一つ忠告」