「なんで中学校なんかに居るんだよ!!!」


あたしはダッシュで大盛中学校に向かう。


小盛中学校にもいない。


並盛中学校にもいない。



なら、向かうは大盛中しかない!!


あたしはもつれそうな足をなんとか踏ん張って走る。


やっと大盛中に着き、堂々と不法侵入。


校内はやけに静かだった。


いや、体育館から声が聞こえる。


体育館の近くの草むらに隠れ、中を見てみるとステージで一人の男が演説をしていた。


そう、正木悠太だ。



「貴校はとても優れている生徒さん達がいらっしゃると存じています。


ぜひ、私の学校に足を運んではいただけないでしょうか?


教員はもちろん、私たち生徒も優しくあなた達を迎え入れます。」


何考えているのか分からずいっつもヘラヘラ笑っている奴が今は凛とした姿で中学生と向き合っている。


すげぇ…学校のために中学校を転々として演説をしていたのか…。



「これで私の演説を終わりにします。」


そう言って、正木悠太が頭を下げると体育館中に拍手が鳴り響いた。