「常葉飛鳥のファンだよ。ああやってカメラで録画した野球試合を休み時間に見てるんだよ。」



「ときわあすか…??」



はてなマークを顔に出すあたしにユキナは"御愁傷さま"と両手を合わせた。




「なんだよ!!男の名前なんて復讐ターゲットにする間ぐらいしか覚えてら…!!」



「なぁー、安堂奈津子いる?」



あたしが叫ぶ声に誰か男の声が重なる。



振り向くと背の高い茶髪の男子が教室のドアに寄りかかって教室全体を睨みつけていた。




「あの人が常葉飛鳥。


あんたあの人にも嫌がらせしたの?」




ユキナがあたしの耳元で言う。





彼の愛の告白の呼び出しも


怒りのこもった呼び出しも



くらうようなこと、あたしには心当たりないんですが…。