「強制されるのがイヤ。」


異口同音。


はっきり言って、男子のスポーツを強制的に観戦しなきゃいけないのはイヤだ。



でもまぁ、隣にいるあずさは楽しそうだからいいか。



「ねぇ、あずさ。常葉飛鳥と付き合わないの?」


あたしは脈なしに聞いてみると、あずさは吹く。


「なっ…!?そんな付き合おうと思って付き合えるもんじゃないでしょ!?」


あっ、そうなんすか。


「ごめんねぇ~、この子、女のくせに乙女心分かんない子だからさぁ~。」


と言って、ユキナはあたしの頭をポンポンメガホンで叩く。



「何よ!!あたしだって恋愛してました~!あずさ!常葉に告っちゃいなよ!」


「えっ…そんな…っ。」


「だから、いきなり告ったってフラれるがオチでしょ!まずはナイーブに行かないと!」


ユキナの口調がお説教みたいになってきて、あたしは思わず口をとがらせた。



「ナイーブだかオリーブだか知るもんか!


このままウジウジしてたって仕方ねぇーじゃん!


想いを伝えねぇとスッキリしねぇ!」



「それはあんたのトラウマ上の話でしょ!?


あずさちゃんはまだ常葉飛鳥と関わりを持ってないんだよ!?」