「いたたた…もぅ一つ、落とし穴のトラップ仕掛けてたの忘れてた…。」 あたしはそう言って、制服に付いた土を払っていると隣で静かに蘭が笑っているのに気づいた。 「最後の最後で負けちゃった♪」 負けた割にはさわやかな笑顔ってどうよ。 「ねぇ、結局、告白されてどうなったの?」 「ん?断ったよ?」 「なんで?」 あたしの問いに蘭はニコニコと笑って返した。 「何笑ってんのよ。気色悪い。」 「僕たちって似た者同士だよね。」 「急にどうした。」 「上見て。」 蘭が指さす上を見た。