「なんで?」 あたしの声が急に強くなったせいか石村の体が震えだす。 「あの…フラれて…」 「フラれた!?」 つい声が大きくなってしまう。 ここは教室。 この子のことも考えて場所を変えたほうがいい。 「付いてきて。」 あたしは人気のない廊下に向かった。 「フラれたって…理由は?」 「…分かりません。」 「なんで聞かなかったの!?」 「…すいません。」 石村は涙目にして謝る。 …この子を責めたって仕方ない。 あたしだって人のこと言えないんだから。