「アンドーナッツです。」
「あー、ウワサの。意外と普通なんだな。」
「まぁ~、悪運だけが強いもので。」
「っで、なんだよ?俺は怒りが爆発しそうで大変な状況なんだけど?」
「まぁまぁ、お気持ちはわかります。
しかし、感情のまま行動するのも軽率な行為だと思います。
ここは状況を把握できている第三者の私の話を聞いてもらえますか?」
常葉飛鳥を見るとうなずき、柔道部の男は"手短に"と面倒くさそうに頭をかく。
さて、アンドーナッツさんの出番ですね。
「単刀直入に言います。あなたたちはその女に騙されています。」
二人は驚愕して言葉が出ない。
「つまり被害者は二人ってこと。」
うーん…もうちょっと付け足す内容が乏しいなぁ~っと思っていたら、急に男があたしの胸倉をつかむ。
「黙って聞いてりゃなんだ!!??俺の女に文句付けるのか!!?」
「そういうんじゃなくてー…」
やべぇーぞ、こりゃ。
男ってすぐに手を出すんだから。



