あたしたちは夕暮れの風が街をゆっくりと歩く。
「ていうか、ぎゃふんって言わせるのに歌を歌って終わりかよぉ。」
常葉飛鳥が苦笑する。
「いいじゃないですか!最後にラブソングって!」
"師匠の歌声感動しました!"とあずさの興奮は治まらない。
「でも、久しぶりに聞くとあの曲って良い歌詞だなぁ。
てか、なんで2番だけ歌ったんだ?」
しみじみと首を縦に振る正木悠太。
「フフッ♪
だってカラオケで歌いたかったんだもぉ~ん。
あたし2番のほうが好きだしぃ~。
あっ!」
目の前に"餡蜜屋"という看板が立ててある店を見つける。



