一面芝生の公園の上を走る一条。


あたしたちも走るがなんせあたしは裸足で草が足をくすぐってこしょばゆい。



「もぅ走らなくていい。」


正木悠太はあたしの肩を止める。


「なんでだよ!?」


「見ろっ。」


目の前で走る一条の姿が一瞬にして消えた。



「一条…!?」


近寄るとそこには大きな穴があり、一条哲矢はそこに填まっていた。


「これ…あんたが作ったのか?」


あたしの問いにうなずく正木悠太の顔には確かに土がついていた。


≪なぁ、落とし穴ってどうやって上手く作れるんだよ?≫


そういえば、この前、図書館で会議した後、正木悠太がしつこく聞いてきたっけ。


あたしはもう落とし穴は作る機会はないだろうと思ってペラペラとコツを教えた。



それが一条捕獲に役立てられたなんて…。