あたしは正木悠太のげた箱に入っている上靴に猫じゃらしを仕掛ける。
「あっ!見つけたぞ!アンドーナッツ!」
男子たちが指さし、追いかけてくる。
「やべっ!」
あたしはその場から逃げだした。
「まだやってるよ、あの子。」
「本当、懲りないよねぇ。」
走っているとき、聞こえた女子の声。
あたしはその言葉をシャットアウトする。
何を言われたって構わない。
どう思われたって気にしない。
今までだってそうしてきたじゃないか。
それなのになんで胸が苦しむんだ…?
あたしは廊下にバナナの皮を仕掛ける。
ツルンッ
「うぎゃ!」
引っ掛かった!
「ギャハハハハハハハハハ!」
あたしはその男子に向かって大笑いしながら逃げだす。



