「俺が、もう少し早くついていたら」
うずくまる信二は、今更どうにもならない事を口走る。
「あなたのせいじゃないわ、誰も悪くない、議も……」
泣き続ける魅奈をかまいながら、ユリは信二を励ます。
今までの出来事は、全てが不可解で恐ろしくはあったが、命に別状はなかった。何人かの生徒や、警備員が殺されたりはしたが、どれもそれ程関わりの深い連中ではなかった。仲間内ではこれが初めて確認できる『死』なのだ。いや、確認出来なかっただけで浅岡も既に殺されているようだが、悠子ほどみんなの心に残る大事な仲間の死だ。その痛みは計り知れない……。
「これからどうするんですか?」
涙声のまま魅奈が言う。
「とにかく、こうなった以上すぐにでも警察に連絡を取らなくてはならない。と言っても学校の電話が使えない。もう外に出るしか手はないだろう」
「待ってくれ、とてもじゃないが学校の敷地の外に出るのは不可能だ」
後藤の提案に和哉がすぐさま口を開いた。
……先程のゾンビ犬の末路を見た和哉は、外に出ようとするとどうなるかを詳しく話した。
「そ、そんな、それじゃ外への連絡は勿論、ここから逃げる事も出来ないじゃないか」
全員の脳裏に絶望の色が浮かぶ。
「待ってよ、携帯を使えばもしかしたら繋がるんじゃないか?」
冴子は携帯電話を取り出し、アンテナ表示を見る。携帯は使えそうだった。
「よし、とりあえず電話してみてく……」
後藤が言い終える前に冴子の携帯の着信がなった。
ピリリリリ、ピリリリリ、ピリリリリ。
うずくまる信二は、今更どうにもならない事を口走る。
「あなたのせいじゃないわ、誰も悪くない、議も……」
泣き続ける魅奈をかまいながら、ユリは信二を励ます。
今までの出来事は、全てが不可解で恐ろしくはあったが、命に別状はなかった。何人かの生徒や、警備員が殺されたりはしたが、どれもそれ程関わりの深い連中ではなかった。仲間内ではこれが初めて確認できる『死』なのだ。いや、確認出来なかっただけで浅岡も既に殺されているようだが、悠子ほどみんなの心に残る大事な仲間の死だ。その痛みは計り知れない……。
「これからどうするんですか?」
涙声のまま魅奈が言う。
「とにかく、こうなった以上すぐにでも警察に連絡を取らなくてはならない。と言っても学校の電話が使えない。もう外に出るしか手はないだろう」
「待ってくれ、とてもじゃないが学校の敷地の外に出るのは不可能だ」
後藤の提案に和哉がすぐさま口を開いた。
……先程のゾンビ犬の末路を見た和哉は、外に出ようとするとどうなるかを詳しく話した。
「そ、そんな、それじゃ外への連絡は勿論、ここから逃げる事も出来ないじゃないか」
全員の脳裏に絶望の色が浮かぶ。
「待ってよ、携帯を使えばもしかしたら繋がるんじゃないか?」
冴子は携帯電話を取り出し、アンテナ表示を見る。携帯は使えそうだった。
「よし、とりあえず電話してみてく……」
後藤が言い終える前に冴子の携帯の着信がなった。
ピリリリリ、ピリリリリ、ピリリリリ。

