「このやろ、そのチョコは洋酒入りの『ラミリー』じゃないか、先生の好物だぞ。ちょっとくれれば見逃してやろう」
「だめ! 私だってこれを買うのに苦労したんだから」
「まーまー。いいからいいから、大丈夫、痛くしないから、ほら、おじさんに任せればなーんにも心配ないからさ、大丈夫だって、ホント大丈夫なんだからさー」
教室内をチョコマカと逃げ回る女の子を追いかける教師、それを見て笑う生徒達……今、この学校で唯一、ここだけに笑い声があった。
ガラッ!
「ちょっと、うるさいですよ後藤先生」
いきなり教室のドアがスライドして、年配の女教師が仁王立ちで現れた。
「げっ、ヒスチェリー!」
「何ですかヒスチェリーとは? もう少し静かに授業して下さい。分かりましたね」
「ハーイ」
後藤の隣の女子生徒が代わりに返事をした
ガラガラ……ピシャッ!
「あーん、私のチョコー」
後藤は目線はドアを見たままで、素早くチョコを取り上げてかじり付いた。
「返してよ~」
ボカポカと握った拳骨で胸を叩く女の子にチョコを返すと、後藤は教卓に向き直った。
「……ったく、あのヒスチェリーめ」
再び教室には笑いが響いた。
……ちなみに「ヒスチェリー』とは『ヒステリー・チェリー』の略らしく、四十五歳位であるにもかかわらず独身であり、多分セックスもした事ないんじゃないかという予想から、現役処女という事で『チェリー』、そしてヒステリックな所から『ヒステリー』と付いて、『ヒスチェリー』という訳だ。生徒たちの間では教師のニックネームや、人気ランキング付けなどが常に行われており、そこから『ヒスチェリー』が生まれ、あの女教師に付けられたのである。
「だめ! 私だってこれを買うのに苦労したんだから」
「まーまー。いいからいいから、大丈夫、痛くしないから、ほら、おじさんに任せればなーんにも心配ないからさ、大丈夫だって、ホント大丈夫なんだからさー」
教室内をチョコマカと逃げ回る女の子を追いかける教師、それを見て笑う生徒達……今、この学校で唯一、ここだけに笑い声があった。
ガラッ!
「ちょっと、うるさいですよ後藤先生」
いきなり教室のドアがスライドして、年配の女教師が仁王立ちで現れた。
「げっ、ヒスチェリー!」
「何ですかヒスチェリーとは? もう少し静かに授業して下さい。分かりましたね」
「ハーイ」
後藤の隣の女子生徒が代わりに返事をした
ガラガラ……ピシャッ!
「あーん、私のチョコー」
後藤は目線はドアを見たままで、素早くチョコを取り上げてかじり付いた。
「返してよ~」
ボカポカと握った拳骨で胸を叩く女の子にチョコを返すと、後藤は教卓に向き直った。
「……ったく、あのヒスチェリーめ」
再び教室には笑いが響いた。
……ちなみに「ヒスチェリー』とは『ヒステリー・チェリー』の略らしく、四十五歳位であるにもかかわらず独身であり、多分セックスもした事ないんじゃないかという予想から、現役処女という事で『チェリー』、そしてヒステリックな所から『ヒステリー』と付いて、『ヒスチェリー』という訳だ。生徒たちの間では教師のニックネームや、人気ランキング付けなどが常に行われており、そこから『ヒスチェリー』が生まれ、あの女教師に付けられたのである。

