「……んっ、おわあ!」
咄嗟に和哉は後ろに飛び退いた。
再びリヤカーはバランスを崩し、冴子は飛び降り、勢い余った信二は壁に激突した。
「うう、何で俺ばっかりこんな目に」
信二は己の運のなさを呪った。
「和哉、準備の方はどうなったの?」
「おう、整ったぜ。今、お前たちを呼びに来た矢先だったんだが……こりゃ酷いな」
信二の姿を見て、和哉も苦笑いをした。
「例の化け物たちはどうなった?」
「向こうから二匹まとめてやって来るよ」
廊下の真ん中辺りに、死神と怪物が揃ってやって来るのが見える。
「よし、手間が省けたぜ、このまま体育館へ直行だ」
「信二、寝てないで行くぞ」
二人に促されて、信二は後に続いた。

いよいよ準備が整った。最後の大決戦が始まる。
時刻は三時二分。
夜明けはまだ釆ない。

十四日 (土曜日)
現在時刻 三時ニ分
生存者 六名 (信二、魅奈、和哉、ユリ、冴子)
死亡者 四名 (浅岡、種田、文彦、悠子、後藤)
TO BE CONTINUED!