"ピンポーン"


夕方、ボストンバッグの中身を確認している時、玄関のチャイムが鳴った。


誰?


インターホンのカメラで確認する。


インターホンの画面に写っていたのは和彦だった。


今日は来る予定ではないはず……。


どうしたんだろう?


私は玄関まで行き、ドアを開けた。


休日だというのにスーツを着てる和彦。



「和彦!どうしたの?連絡なしに来るなんて珍しいね」



笑顔でそう言う私。


でも……和彦は少し俯いたまま「あぁ」と返事をしただけだった。



「和彦?」



私の顔から笑顔が消える……。


顔を上げた和彦の顔に笑顔はなかった。