「海陽ってさぁ……放課後、いつもどこ行ってんの?」 「音楽室……」 俺がそう言うと、樹里はキョトンとした顔をして俺を見ていた。 俺が嘘つくとでも思ったのか? 「樹里?」 「えっ?ん?な、何?」 「俺が嘘つくと思った?アッサリ答えたからビックリした?」 「う、うん……まぁ……」 やっぱり……。 「お前が放課後どこに行ってるのか聞いてきたんだろ?俺はそれに、ただ答えただけだけど?」 「そうだね」 樹里は俺を見て、ハハハと苦笑いした後、俺の顔から目を逸らしてアスファルトを見ていた。