「へぇ……旅行、温泉に決まったんだ」
星野くんはクスッと笑う。
「ちょっ!ちょっと!勝手に見ないでよ!」
私は慌てて画面を手で隠した。
「学校でこんなん見てる先生が悪いんでしょ?」
「そうだけど……」
「ねぇ?先生?」
「ん?」
「旅行、楽しみ?」
パソコンを見ていた星野くんは、パソコンから窓の外に視線を移し、そう聞いてきた。
「…………そりゃ……まぁ……楽しみだよ」
「でもホントは……楽しみじゃないとか?」
「えっ?」
私は星野くんの方を見た。
「図星?」
「えっ?な、何言ってんの?楽しみに決まってるじゃない」
「ふーん……」
星野くんが私の顔をジーと見る。
な、何?
彼の綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
思わず、彼から視線を外した。