私は椅子から立ち上がり、和彦の傍へ行く。


和彦の首に後ろから手を回した。



「和彦?」


「ん?」



和彦が私の手を握ってくる。



「抱いて?」


「紗英からそんなこと言うなんて珍しいな」



和彦がクスッと笑う。


私から和彦にセックスを要求したのは初めてだった。


めちゃくちゃにして欲しい……。


私を壊して欲しい……。


和彦の愛で、今日あったことを忘れさせて?


和彦は私の手をそっと解くと、椅子から立ち上がり、私の体をギュッと抱きしめ、唇を重ねてきた。


下を絡ませた深く熱いキス……。


和彦が唇を離すと、私の体を抱き上げた。


そして、そのまま寝室へと連れて行かれた……。