「そろそろ帰るよ」 和彦が腕時計を見てそう言った。 「えっ?もう?」 私はリビングの時計を見る。 「まだいいじゃない……」 時計の針は20時を指していた。 「でも、そろそろ帰らないと……」 和彦はパソコンを鞄に入れながら言った。 「奥さんにバレるのが怖い?」 私はクスクス笑いながらそう聞いた。 「いや……そんなことないけど……」 本当は怖いんでしょ? でも大丈夫だよ。 もう……私たちの関係はバレてるから……。