「海陽!何、黄昏れてんのよ!」
"バシッ!"
「…………って!」
後ろから思いっきり頭を叩かれた。
「いってー!」
振り向くと、そこには満面の笑みを浮かべた樹里が立っていた。
さっき俺に告白してきた彼女が、俺の好きな人と間違えたヤツ。
花巻樹里(ハナマキ ジュリ)
俺の幼なじみ。
住んでたマンションの部屋が隣同士で、小さい頃はよく遊んでいた。
樹里は幼稚園、俺は保育園で、母親が迎えに来れなかった時は樹里のお袋さんに迎えに来てもらって、そのまま樹里の家に泊まったりもしてた。
中学入るまでは、自分の母親と過ごすより、樹里の家族と過ごす方が多かったかもしれない。
まさか高校も同じになるとは……。
腐れ縁ってやつか?



