【先生×生徒シリーズ】禁断の果実―音楽の先生×男子生徒―





「先輩……彼女、いるんですか?」


「ううん」


「じゃー……付き合えない理由を……教えて下さい……」



涙をポロポロ流しながらそう言う彼女。


理由か……。



「今は誰とも付き合う気はないって言ったら納得?」


「どうして……ですか?」


「好きな人がいるから……かな……」


「それって、いつも一緒にいる人ですか?」



いつも一緒にいる人?


あぁ……。


俺の頭にある女子の顔が浮かんだ。



「違う違う。アイツはただの幼なじみ」



俺は笑いながら否定した。



「じゃー……誰ですか?」



まだ食い下がるのか……ったく……。



「答える義務はないと思うけど?好きな人は……キミの知らない人だよ」


「…………」



彼女は何も言わず泣き続けている。


こういう時はどうすればいい?



「…………失礼……します……」



彼女はそう言って、俺の横を通り過ぎて走るように去って行った。