体育館裏に行くと、女の子が3人いた。
あの子たちか?
俺は女の子3人の前にゆっくり歩いて行く。
1人の女の子に2人が何かを言って、俺の横を軽く会釈をしながら通り過ぎた。
「呼んだのって……キミ?」
「あ、はっはい!」
女の子が顔を真っ赤にして、俯いている。
「俺に何か用事?」
笑顔で優しくそう言った俺の顔を恥ずかしそうにチラチラ見ている。
「あの……私……先輩のことが……す、好きなんです……」
そう言って、少し俯き加減になって、上目遣いで俺を見てる。
「ありがとう」
俺は笑顔でそう言った。
「あの…………」
「ん?」
「私と……その……あの……えっと……」
女の子が何を言いたいのか俺にはわかった。
"付き合って欲しい"と言うんだろう……。
「ゴメン……」
だから俺は女の子が言う前にそう言った。
「えっ?」
顔を上げて、俺を見る女の子。
目にいっぱい涙を溜めている。
瞬きすると、女の子の大きな目からポロポロと涙がこぼれ落ちた。



