「おーい!王子!1年の女の子が呼んでるぞ~」
弁当を食べ終え、弁当箱をハンカチに包んでいたら、廊下にいた来た村上(ムラカミ)が、教室のドアから顔を覗かせ、俺にそう言ってきた。
またかよ……。
4月になって、女の子から呼び出されるのって、これで何回目だ?
てか、大きな声で王子って言うのやめてくれ……。
「あぁ!今行く!」
「おっ?またまた告白か?」
晶斗がニヤニヤしながら言った。
「さぁな……」
「わかっててわからないフリするなんて嫌味なヤツ」
晶斗がクスクス笑う。
「ちょっと行って来るわ」
「おう!」
俺は椅子から立ち上がって、教室を出た。
「体育館裏で待ってるって」
廊下にいた村上がそう言った。
「サンキュー」



