「先生、さっきからニヤニヤしながらパソコンしてたけど、何見てたの?」
「へっ?」
まぬけな声が出てしまった。
さっきから?
って、ことは……。
「ほ、星野くん?い、いつからそこにいたの?」
「いつからだろう?でも先生、ニヤニヤしっぱなしで……」
星野くんがクスクス笑う。
顔が急に熱くなって恥ずかしさが込み上げてきた。
「何回呼んでも気づいてくれないしさぁ……」
えっ?そうなの?
全く気づかなかった……。
完全に自分の世界に入ってたよ。
「旅行?」
「…………えっ?」
気づくと、星野くんは私の隣に立っていて、パソコンの画面を見ていた。
「あっ……や、み、見たらダメ!」
私は慌ててパソコンの画面を手で隠した。
「先生、可愛い」
星野くんがスクッと笑う。
「お、大人をからかうんじゃないの!」
「別にからかってないけど?俺は真実を言っただけ」
えっ?
その時、胸が"トクン"とひとつ鳴った。
年下の……しかも生徒にそんなこと言われるなんて……。
完全に星野くんのペースに乗せられてる。