「先生?」
相変わらずピアノの椅子に座ったままの星野くん。
私も黒板にもたれ掛かったままだ。
「ん?」
「緊張した?」
「うん……まぁ……」
苦笑いする私。
「へぇ……そうなんだ……」
何?そのバカにしたような言い方は!
教師だって人間なんだから緊張するよ。
「じゃー、星野くんはどうなの?」
星野くんは在校生代表として挨拶をした。
「俺?緊張なんかするわけないじゃん」
星野くんはクスクス笑う。
まぁ、確かに挨拶している星野くんから緊張感なんか微塵も感じられなかった。
何だろう……。
星野くんといたら自分が凄く子供っぽく感じる。
私……バカにされてる?



