海陽が宿泊してるホテル。


部屋はもちろん最上階のスイートルーム。


"バタン――"


部屋のドアが閉まったと同時に、海陽にギュッと強く抱きしめられた。



「紗英さん……」



私を抱きしめて、切なそうな声で私の名前を耳元で囁く海陽。



「紗英さん……」



何回も何回も私の名前を囁く。


海陽が体を少し離す。


私は海陽の顔を見上げた。


海陽も私の顔を見下ろしている。


目が合う。


"ドキン――"


胸が大きく高鳴った。



「紗英さん……」



海陽はそう言って、私の唇に自分の唇を重ねた。


3年振りに海陽とするキス。


軽いキスから深く熱いキスへ――。


角度を何度も変えて愛を確かめ合うようにキスをした。


体中が熱くなって溶けそう……。


足に力が入らない。


海陽の支えがなかったら、そのまま倒れてしまいそうだった。