海陽……会いたいよ……。 ここにいたら、もしかしたら……。 なんて淡い期待を抱いていた。 でも、現実はドラマや小説のように上手くはいかない。 海陽が目の前に現れて……。 そんな奇跡、あるわけないんだ……。 はぁ……。 口から出るのは溜め息ばかり。 さっきから何回、溜め息ついてるんだろう……。 帰ろうかな……。 私はベンチから立ち上がった。 さようなら……海陽……。 ベンチから離れて、マンションに帰ろうとした時――。