その時、私の脳裏に海陽の言葉が浮かんだ。
別れを告げたあの時、海陽が言った言葉……。
『もし俺が、ピアニストになる夢を叶えたら……会って欲しい……』
あの時、私は答えが出せなかった。
笑顔を見せるしか出来なかった。
でも今なら……。
答えは出せる。
会いたい……海陽に会いたいよ……。
会いたくて会いたくたまらないの……。
でも海陽は会ってくれるのかな?
一方的に別れを告げた私のことを憎んでたら……。
私のことを忘れてたら……。
付き合ってる人がいたら……。
でも会いたい……。
海陽に会いたい――。



