「海陽……噂を流しといて、こんなことを聞くのはアレなんだけど……水島先生との中は本当なの?」
「本当だよ。俺と紗英さんは付き合ってるし愛し合ってる……」
樹里は息を呑んで、両手で口を抑えた。
「海陽と水島先生……どうなるの?」
「さぁな……」
俺はフェンスにもたれたたり、空を見上げた。
「海陽……ゴメン……」
「もう、いいよ……」
そう言った時、次の授業の始まりを伝えるチャイムが鳴った。
「授業……始まっちゃったな……」
「そうだね。でも、たまにはサボるのもいいかも……」
樹里はクスッと笑った。
「じゃー……俺も付き合うよ……」
俺はそう言って、樹里に笑ってみせた。