「話って何?」
樹里が屋上に来た。
フェンスのとこにいる俺の前に立つ樹里。
「俺と水島先生の噂を流したのはお前か?写真も校長に送ったのはお前か?」
「えっ?」
樹里の目が泳ぐ。
やっぱりな……。
樹里は俯いてしまった。
「なぁ、樹里?お前を責めてるわけじゃないよ?ただ、俺は本当のことを知りたいだけ」
「海陽……」
顔を上げた樹里の目は真っ赤になっていて、頬を涙が伝っていた。
「樹里……本当のことを教えてくれ……」
「噂を流したのも写真を校長に送ったのも全て私がやったの……。智子のお姉さんがね、偶然にも水島先生と同じマンションに住んでて、それで水島先生の家を知ったの。智子に相談して……智子とお姉さんに協力してもらって写真を撮ってもらったの……。智子もお姉さんも悪くないの。悪いのは全て私……」
「何で……」
「海陽が好きだから……小さい頃から好きだった……だから……」
「そっか……。樹里、話してくれてありがとな……」
俺は笑顔で樹里を見た。