「わかりました……。でも教師が特定の生徒に自分の家のピアノを貸すのはどうかと思いますがね……。それが受験のためであっても……」


「…………すいません……」



泣きそうになるのを必死に抑えた。


泣いたらダメ。



「今、学校中でキミたちが噂になってる。私たちも知ってしまった以上"そうですか、わかりました"と言うわけにはいかないんですよ。関係はないとは言え、教師の家に生徒が出入りしてたわけですし……。私の言ってる意味、わかりますね?水島先生……」


「はい……」



処分されるんだ。


懲戒免職?


転勤?


謹慎?


私はどんな事でも受け入れる。


でも海陽は……海陽だけは……。