「僕は!」 突然、海陽が顔を上げて、叫ぶようにそう言った。 私は海陽の横顔を見る。 「僕は……水島先生のことが好きです……」 海陽……。 「教師としても尊敬出来るし、教師の前に1人の女性としても好きです。でもこれは僕の片想いで……。先生と僕との間には何もありません」 「水島先生……本当ですか?」 校長がそう聞いてきた。 「はい……」 私は下を見たままそう呟いた。 教師の私が生徒である海陽に助けられるなんて……。 本当なら私が海陽をかばわないといけない立場なのに……。 情けない……。