「なぁ、海陽……噂は本当なのか?」
晶斗がフェンスの方に体を向けながら言った。
「本当だ……って、言ったらどうする?」
「別に?俺は何とも思わないけど?」
「そっか……」
「だってさ、好きになっちまったもんはしょうがねぇだろ?それが、たまたま教師だった生徒だったってだけだし」
晶斗はそう言うと"うーん"と背伸びをした。
「でもな海陽……」
晶斗が俺の方を見る。
「教師と生徒の恋愛って、世間は許してくれねぇんだよ。小説や漫画の世界のように上手くはいかないんだよ……」
「わかってるよ……」
わかってる。
そんなこと……。
「海陽?」
「あぁ?」
「何かあったら俺に相談しろ。俺達、親友だろ?」
「ありがとな」
「いや……」
晶斗、俺はお前みたいな親友を持って幸せだよ。



