―海陽Side― 9月も下旬を迎えた。 朝夕は涼しいけど、日中は暑い日が続いていた。 俺と紗英さんの仲も変わらない。 樹里もあれから何も言ってこなくなった。 樹里の中で疑惑は晴れたんだろう……。 俺と紗英さんの仲を疑っているのかと樹里には聞いてない。 だから樹里が何を考えてるのかわからない。 でも俺の中で、樹里が何かを感じていると思っていた。 だから何も言ってこなくなった樹里に安心していた。 勝手にそう思っていた。