「海陽?どうしたの?何か変だよ?」
「…………」
海陽は黙ったまま、私を見つめていた。
「海陽?何があったの?」
「紗英さん……俺の誕生日の日に樹里に会ったの?」
「えっ?」
そう言えば……あの日、花巻さんと雑貨屋で……。
「あの日は雑貨屋で会ったけど……」
それと海陽の悲しそうな目が何か関係があるの?
「もしかしたら樹里が俺達の関係に気付いたかもしれない……」
「えっ?」
私は目を見開いて海陽を見た。
「どうして?」
「ネックレスのこと聞いてきた……。それから指輪のことも……樹里に何か聞かれたんだろ?」
確かに指輪のことは聞かれた。
彼氏にプレゼントされたのかとか……。
でも私は何も言わずに笑ってごまかして……。



