唇を離した海陽の胸元に光るネックレス。
プレゼントしたあの日から、海陽はずっとネックレスをしてくれていた。
私は海陽の胸元に光るネックレスにそっと指を持っていく。
そんな私を不思議そうに見る海陽。
「紗英さん?」
「ん?」
「どうかしたの?」
「海陽がネックレスしてくれてるのが嬉しいの」
私は海陽を見上げてそう言った。
「当たり前だろ?愛する人からのプレゼントなんだからさ。紗英さんも指輪、してくれてるから嬉しいよ」
海陽は私の右手の薬指にはめられたリングをそっと撫でた。
学校では右手の薬指にリングをして、学校を出たら左手の薬指にはめ直していた。
「ここでも左手に着けれたらいいんだけど……」
「俺はその方が嬉しいよ」
海陽はそう言って、私の右手の薬指にはめられたリングを外すと、左手の薬指にはめ直した。
「海陽?」
「これからもずっと、この指に着けてて?」
「でも……」
そんなことしたら生徒たちからいろいろ聞かれるかもしれない……。
「大丈夫だから……」
海陽はニコッと微笑むと、再び私の体をギュッと抱きしめた。



