「ここで紗英さんを抱いたらスリルがあって余計に興奮しそう」
海陽は私の耳元で囁くようにそう言った。
「海陽!?」
海陽の腕を離して、椅子に座ったまま海陽の方を向いた。
「冗談だよ」
海陽はそう言ってニヤッと笑うと、私の頭をポンポンとしてきた。
「でも……」
海陽の顔が急に真面目になる。
「でも……何?」
真面目な顔をした海陽を見ている私の胸はドキドキしていた。
「キスはしたいかも……」
海陽はそう言って、中腰になると、私の唇に海陽の唇が重なった。
学校でする海陽との初めてのキス。
私の胸は、さっきよりも更にドキドキしていた。



