放課後――。
海陽は音楽室でピアノを練習している。
私は準備室で仕事をしていた。
海陽が弾くピアノが聴こえてくる。
元々、ピアノが上手い海陽。
でもさすが、綾野真季の血を引いてるだけあって、メキメキ上達している。
私より上手いかもしれない。
海陽なら間違いなく音大に受かり、将来はピアニストになるだろうな……。
そんなことを考えてると……。
「紗英さん?」
準備室に海陽が入ってきた。
「海陽、どうしたの?練習はもう終わり?」
「ちょっと休憩」
海陽はそう言って、椅子に座っている私の後ろに立つと、後ろからギュッと抱きしめてきた。
「か、海陽!?ここ学校だよ?」
「わかってるよ」
海陽はそう言って、私の首筋に顔を埋めてきた。
「ちょっ!海陽!?ダメ……だって……」
首筋に唇を這わす海陽。
背中から全身がゾクゾクする。