乳白色のプラスチックケースを開けると、そこには小さな石が埋め込まれたリングが輝いていた。
「海陽……これ……」
私は隣にいる海陽を見た。
「俺、まだ学生だし……高い物じゃないんだけど……」
私は首を左右に振った。
値段じゃないよ。
愛する人からのプレゼント。
それが1番嬉しいんだよ。
「この石ね、ダイヤなんだって。紗英さんの誕生石」
「海陽……ありがとうね……」
「着けてあげる」
「うん」
海陽がリングをケースから出して、私の左手の薬指に嵌めてくれた。
「ピッタリだね」
海陽は笑顔でそう言った。
「ホントだね」
左手の薬指に嵌められたリングは、海陽と一緒に選んだようにサイズはピッタリだった。
「海陽……私、幸せだよ……」
怖いくらい……幸せだよ……。
目にあふれた涙は頬を通って、こぼれ落ちた。
「何で泣くの?」
海陽の指が頬に触れる。
「嬉しいから……幸せだから……」
「じゃー、笑って?」
海陽の言葉に私は泣きながら笑った。
そんな私を海陽はギュッと抱きしめてくれた。