"ピンポーン"
ダイニングテーブルに出来た料理を並べ終えたと同時に玄関のチャイムが鳴った。
来た!
私は急ぎ足で玄関に向かい、ドアを開けた。
スーツ姿の和彦が笑顔で立っている。
「おかえりなさい」
「ただいま」
和彦が来た時には"いらっしゃい"じゃなく"おかえりなさい"と言っている。
和彦も"ただいま"と笑顔で言ってくれる。
「紗英?初出勤、お疲れ様」
そう言って、和彦は私の目の前に真っ赤なバラの花束を差し出した。
「ありがとう」
私はそれを笑顔で受け取る。
そして和彦からの熱いキス……。
「続きは後でね」
唇を離した和彦は笑顔でそう言うと、靴を脱いで部屋に上がった。



