"ピンポーン――"
玄関の呼び鈴が鳴った。
誰?
俺はベッドから起き上がり、部屋を出て玄関に行った。
「どちら様?」
「あ、私……」
樹里?
俺は玄関を開けた。
玄関の外には樹里が立っていた。
「どした?」
「あ、今日……海陽の誕生日だから……これ……」
そう言った樹里の手に目線を落とした。
雑貨屋の紙袋を差し出す樹里。
「ありがとう」
俺は笑顔で受け取った。
樹里は毎年、俺に誕生日プレゼントをくれる。
俺は樹里に誕生日プレゼントをあげたことないのに……。
「彼女のとこ行かないの?」
「あー……これから行こうと思ってるけど……」
あっ!そうだ!
「樹里?これから時間ある?」
「えっ?な、何?」
「もし時間あるなら、ちょっと付き合って?」
「う、うん……いいけど……」
「ホント!?サンキュー!すぐ用意するから待ってて?」
「うん」
俺は樹里を中に入れて玄関を閉めた。
そして部屋に戻って、服に着替えて、財布と携帯を持って、樹里とアパートを後にした。



